Healthcare Ops 設立への想い(Will 編)
代表の小迫です。
Healthcare Ops は、1年以上自分の中で温めたアイデアでした。
3回に渡って、Healthcare Ops設立に際して考えたことを書いていきます。
事業をやる上での3つの概念
自発的に高いパフォーマンスが発揮でき、社会的にも売上や利益が見込むには、3つの概念をあわせる必要があると言われています。
Will, Must, Can です。[1]
- Will は、「自分がやりたいこと」
- Must は、「会社や社会から求められていること」
- Canは、「自分ができること」
第1回として、Will(どうしてこの事業をやりたいのか) について書きます。
写真[2]
病院・医療施設がきちんと運営されているのが好き
2017年5月、娘が生まれました。妻の出産に立ち会い、命が世の中に出てくるの素晴らしさを体験できました。
ただ、妻には申し訳ないですが、妻が陣痛の間、こんなことを考えていました。
- 夜間にスムーズに入院できたのは、医事課がしっかりしているからだなー。
- 分娩室のベッドのシーツがきれいなのは、リネン室と病棟のコミュニケーションがしっかりとれているからだ。
- 薬剤カートがとても整理されている。薬剤部とSPDの管理が行き届いている。
- 分娩に使う医療器具もきちんと滅菌されて、準備してあり、本当にありがたい。
なぜ、こんなに病院のオペレーションについて、わたしは思いを巡らしていたのでしょうか。それは、私の新卒でのキャリアが影響しています。
初めての仕事は、病院の品質管理
大学を出て、新卒で東京の聖路加国際病院で働いていました。QIというQuality Indicator (医療の質)に力を入れている病院で、わたしは、経営マネジメントスタッフという職種で雇っていただきました。病院のあらゆる品質を改善する部門 QIセンターというところに配属されました。
社会人のイロハを学ぶ時期に、病院のほとんどの部署を関わることができました。関わった課とプロジェクトの概要をピックアップしてみます。
- 施設課:病院のファシリティのメンテナンス
- 物品管理課:病院中に点在するエコーのインベントリーと買い替え
- 感染管理:入院・外来における手指消毒の実施率の向上
- 人事課:医師の診療科別評価基準の作成
- 教育研修課:麻酔に関わる医師看護師への、麻酔科医師による研修
- 放射線科:診療科別CT撮影数の推移分析
うまく言ったものもあれば、形だけで終わったプロジェクトもありました。
1つ言えるのは、この仕事を通じて、僕は病院の運営業務を改善したり構築したりするのが好きになりました。
写真[3]
IT業界に転職して気づいたこと
病院の仕事は大好きでしたが、インターネット技術(Google, Facebookなど)の席巻への危機感と自分のスキルアップのため、日本最大級のポータルサイトを運営する会社に転職しました。いまは、データを使ったマーケティングに関わる仕事としています。
今の会社で、エンジニアと仕事をしていて、気づいたことがあります。
- IT業界の人々は、技術・チーム運営・プロジェクト管理のコツや失敗について、善意でインターネット上に共有している。
- コツや失敗を、月1回以上のペースで、会社を横断した「勉強会」や「Meet Up」と称して実際に集まって共有しあっている。
医療業界でも、医師・看護師・パラメディカルは学会や勉強会を通じて、技術や知識の共有をおこなっています。
病院運営についても、インターネットを通じた知識共有をもっと盛んにできるのでは?と考えました。
(筆者作成)
「病院運営でも、IT業界と同じ仕組みができるんじゃないか?」
各病院の運営の方法をインターネットと実際の場で共有することができれば
- うまくいっている病院に話を聞きやすくなる
- 同じ課題へのアプローチのハードルが下がる
- PDCAの部分の、Pの部分の精度が向上する
そうすれば、「もっと医療者は働きやすくなり、患者にとってもよいサービスが提供できるんじゃないか」という想いが生まれました。
この想いが、Healthcare Opsを立ち上げるきっかけとなりました。
参照
- なぜビジネスコンテストからビジネスが生まれないのか?https://medium.com/@tokoroten/%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%8B%E3%82%89%E3%83%93%E3%82%B8%E3%83%8D%E3%82%B9%E3%81%8C%E7%94%9F%E3%81%BE%E3%82%8C%E3%81%AA%E3%81%84%E3%81%AE%E3%81%8B-54334d387de2
- Photo credit: louiscrusoe via Visual Hunt / CC BY-SA
- Photo credit: Presidencia de la República Mexicana via Visualhunt.com / CC BY
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