Healthcare Ops 設立への想い(Must 編)
小迫です。
3回に渡ってお届けする、「Healthcare Ops設立への想い」の第2回です。
前回は、Will(どうしてこの事業をやりたいのか) を書きました。
今回は、Must (なぜ、この事業がやるべきなのか)について書きます。
高齢化と労働人口の減少
まず、病院や医療サービスの運営方法を共有する仕組みが何故必要かというと、労働人口の減少により運営者の効率化が求められるからです。
これから医療の対象であろう高齢者の割合は、どんどん増加していくからです。2025年には、日本の人口の30%以上が65歳以上にになり、2050年には約39%にまで上昇します。[1]
上記のグラフからもわかるように、20〜64歳までの労働人口も減少します。日本中の労働人口が減るときに、医療業界の労働人口だけ爆増するのは考えにくい、つまり、医療の運営に携わる人たちは、より効率的な運用をしていかないと、医療サービスの提供が危ぶまれてきます。
病床数の減少
また2015年の政府の発表によると、病床数を115万~119万床と、現在よりも16万~20万床減らす目標を示している。手厚い医療を必要としてない人を自宅や介護医療に切り替え、医療費を抑えるのが狙いです。[2]
一方、リハビリを施す回復期の病床は38万床と3倍に増やす予定です。
高齢者が増えるが、病床数は減る。労働人口も減っていく。患者はできるだけ、急性期から回復期へ。
国の政策として適切だとは思いますが、医療サービスを運営していく側としては、急性期ではますます研ぎ澄まされたサービスが必要とされ、回復期では、3倍に増えていく中でタコツボ化する運営を避ける必要があると私は思います。
AI、VR、テクノロジー時代の到来
医療業界から一旦目を離してみると、テクノロジーは凄まじい進化を遂げています。ソフトバンクの孫正義氏は、シンギュラリティ(=「コンピューターのAI(Artificial Intelligence)が人間の知能を越える日」)を信じて、事業を展開しています。[3]
メディアアーティストで、筑波大学助教授の落合陽一氏も、以下のスライドを提示しています。[4]
高齢者を支えるのは高度に発達した自動運転技術や自動化技術。介護の現場でも、ウォシュレットのような手軽さでオムツ替えができるなどお年寄りからも好評。認知症の人々はMRSゴーグルで記憶を補強している。貴重な若者は職に溢れず自動化社会で生産性を向上させる。
高齢化、労働人口の減少、急性期の病床数の減少対しては、テクノロジーと共存して、効率化を目指していかなければいけないと思います。
ただ、いきなりテクノロジーを導入するのではなく、事例を重ねて他の医療サービスでも応用できる仕組みを整えておくべきだと、私は思っています。
テクノロジーと医学の進歩に合わせて
いつシンギュラリティが来てもいいように、医療サービスの運営する側も準備しないといけません。
みんなで協力してレベルアップしないといけない、と思っています。
生産性を向上させる
医療サービスの運営する人がレベルアップするというのは、生産性をあげるということです。生産性とは以下の定義で表されます。[5]
病院・医療サービスの運営に携わる人が来るシンギュラリティに備えてできることは、Inputを減らしながら、Outputを向上させることだと思います。そのために、Healthcare-Opsを立ち上げました。
Will とMust から考えた「自分のCan (できること)」については、次の投稿で書いていきます。
参照
1. 将来推計人口でみる50年後の日本 http://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2012/zenbun/s1_1_1_02.html
2. 病床数を最大20万削減 25年政府目標、30万人を自宅に http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS15H75_V10C15A6EE8000/
3. ソフトバンクアカデミア特別講義 「Singularity~情報革命が導く世界~」 https://www.softbank.jp/corp/about/message/2015/20151112_01/
4. 落合陽一 Twitter https://twitter.com/ochyai/status/863280246140698624
5. 安宅和人著『イシューからはじめよ 知的生産の「シンプルな本質」』
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